【建築コラム】「省エネ基準の適合義務制度の対象としない」どうなる省エネ住宅!?
2019.02.01 UP
①適合率は60~69%
②建築士に説明義務
③光熱費削減も表示
1 適合率は60~69%
建築物省エネ法に基づ く建築物への省エネ基準 適合義務化は、300㎡未満の住宅及び小規模建築物について、16年度の省エネ基準適合率が60~69%にとどまっていることや、省エネ基準適合が難しい事業者が相当数存在すること、新築件数が非常に多く、義務化した場合、所管行政庁の業務量が増え、審査体制が整わないことなどが 懸念されるため、対象外とする案を打ち出した。
図=平成28年度における規模別の省エネ基準適合率
2 建築士に説明義務
小規模建築物や住宅は、建築主に省エネ性能に関する情報が十分に提供されていないことから、建築士が設計時に建築主に対し省エネ基準に適合するかどうかについて説明するよう求める新たな制度を創設する。報告案では、説明時に適合可否とあわせて省エネ性能を向上させるための措置を提案するよう建築士に促すことも重要としている。説明義務制度の創設に際し、すべての中小工務店、設計事務所が省エネ基準に習熟することが 必要との考えから、省エネ基準の大幅な簡素化についても検討する。
注文住宅や賃貸アパー トを多く手がける住宅事業者を住宅トップラン ナー制度の対象に加える案も提示された。ハウスメーカーなど、 大手注文住宅事業者が省エネ性能の高い建材や開口部を標準仕様に設定することで、新築市場全 体の省エネ性能向上に大きな効果が望めることが同制度拡充の狙いです。
3 光熱費削減も表示
既存住宅・建築物の省 エネ性能向上について は、省エネ改修や省エネ 性能診断・評価を促すほ か、住宅トップランナー 制度と連携しながら、住 宅事業者に対して広告な どで物件ごとの省エネ性 能の情報開示を促す方策 を検討する。
消費者が物件選択の際に省エネ性能 の情報を容易に把握できるようにするため、住宅事業者に対し、住宅情報提供サイトなどへの省エネ性能の表示を促す。 省エネ改修などによる光熱費の削減効果の表示方法についても検討し、消費者が省エネ改修の効果をわかりやすく把握できるようにする。
図=住宅の新築・購入時の省エネ性能の検討の意向