【建築コラム】デュアルライフって? 注目高まる、「ちょっと暮らし」
2019.04.01 UP
住まいのトレンドとして2拠点生活(デュアルライフ)が注目されている。かつての「富裕層の別荘」とはイメージを異にする、
新たな「居住」の仕方。「シーズンステイ」「プチ移住」など表現は様々だが、都市と地方のいずれの暮らしも楽しみたいという
ニーズが高まっている。
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【INDEX】
① 10倍の伸び「体験移住」
② 道東で体験移住者増
③ 空き家の有効利用も
④ 趣味の充実を求めて
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図=「ちょっと暮らし」利用者数の割合
北海道の市町村を見ると、北海道の東側での「体験移住」が人気だ。東側の拠点である「釧路市」はちょっと暮らしの利用件数が、11年から7年連続1位を獲得している。滞在日数も延べ2万1303日で、滞在日数では2位の新ひだか町を約1万6千日引き離し断トツの1位。同市市民協働推進課によると、17年度は1419人の長期滞在者が同市を訪れた。17年度の「移住相談」のうち、約50%が単身者。「ちょっと暮し」の相談対応で、「市内で戸建や分譲マンションを購入した、またはマションを長期賃貸契約したという話は数件聞いている」という。同市では避暑などを目的に市内で一定期間暮らす長期滞在事業にも力を入れている。
同様に、「ちょっと暮らし」で17年度の2位になった上士幌町は、2018年11月10日に、東京で移住促進のイベントを行った。 町によると、当日の来場者は30人。同セミナーは年3回開催しているということで、毎回20人程度の参加者がいるという。そのほとんどが、「上士幌に興味があるリピーターで、実際に移住や生活体験につながっている例もある」。
同町では2005年度から移住定住の取り組みを始め、すでに「10人が2地域居住を行っている」という。移住者は「中古住宅や賃貸住宅へのニーズが高く、景色の良い庭付き一戸建住宅の希望が多い」(担当者)とのこと。
同町では、移住促進策として、新築住宅向けの補助金制度を設けている。町内で住宅を新築した場合に、子ども(中学生以下)1人あたり100万円を助成。「土地付き中古住宅」を購入した場合は50万円が助成される。
■2拠点生活が以前より身近に感じられるようになった背景のひとつに、地方での空き家の増加がある。空き家対策について、釧路市は5つの民間専門団体と「空き家等の対策に関する協定書」を締結。
このうち、北海道宅地建物取引業協会釧路支部、釧路市建設事業協会と「空き家等の除去及び改修に関する相談業務」で連携し、空き家対策を進めている。また、市民が所有し、居住する住宅については、省エネ改修工事やバリアフリー改修工事を行った場合に、市が工事費の一部を補助する「釧路市住宅エコリフォーム補助制度」を設けている。補助申請時に釧路市民でなくても、市内の住宅を取得したり新築したりした後、釧路市民となり居住する場合には補助対象とし、移住希望者も利用できる制度。 釧路市の隣、釧路管内弟子屈町では、「移住体験住宅」の利用に関する問い合わせが多いとのこと。中古住宅の購入希望も増えているという。 同町では人口減少に伴い空き家が増加しているため、有効活用を進めようと空き家バンク制度やリフォームに対する助成事業を行っている。適切に管理がされていない空き家については、データベース化を図り、空き家等対策計画に基づいた体制を整えているとのこと。
十勝管内鹿追町では、移住体験事業や空き地空き家登録バンクに力を入れている。同町企画財政課によると、移住のための住宅には、「状態の良い安価な中古の一軒家(空き家)やリノベーションをした中古住宅を希望する人が多い」。そのため、空き地空き家登録バンクを開設し、所有者が登録した情報をHPに掲載している。
同町では2005年度から移住定住の取り組みを始め、すでに「10人が2地域居住を行っている」という。移住者は「中古住宅や賃貸住宅へのニーズが高く、景色の良い庭付き一戸建住宅の希望が多い」(担当者)とのこと。
同町では、移住促進策として、新築住宅向けの補助金制度を設けている。町内で住宅を新築した場合に、子ども(中学生以下)1人あたり100万円を助成。「土地付き中古住宅」を購入した場合は50万円が助成される。
■2拠点生活が以前より身近に感じられるようになった背景のひとつに、地方での空き家の増加がある。空き家対策について、釧路市は5つの民間専門団体と「空き家等の対策に関する協定書」を締結。
このうち、北海道宅地建物取引業協会釧路支部、釧路市建設事業協会と「空き家等の除去及び改修に関する相談業務」で連携し、空き家対策を進めている。また、市民が所有し、居住する住宅については、省エネ改修工事やバリアフリー改修工事を行った場合に、市が工事費の一部を補助する「釧路市住宅エコリフォーム補助制度」を設けている。補助申請時に釧路市民でなくても、市内の住宅を取得したり新築したりした後、釧路市民となり居住する場合には補助対象とし、移住希望者も利用できる制度。 釧路市の隣、釧路管内弟子屈町では、「移住体験住宅」の利用に関する問い合わせが多いとのこと。中古住宅の購入希望も増えているという。 同町では人口減少に伴い空き家が増加しているため、有効活用を進めようと空き家バンク制度やリフォームに対する助成事業を行っている。適切に管理がされていない空き家については、データベース化を図り、空き家等対策計画に基づいた体制を整えているとのこと。
十勝管内鹿追町では、移住体験事業や空き地空き家登録バンクに力を入れている。同町企画財政課によると、移住のための住宅には、「状態の良い安価な中古の一軒家(空き家)やリノベーションをした中古住宅を希望する人が多い」。そのため、空き地空き家登録バンクを開設し、所有者が登録した情報をHPに掲載している。
図=「ちょっと暮らし」利用者数の推移
定年後の終の住処として、地方に住居を求める人も増えている。時間に余裕があるリタイア組の中には、家の横に畑を作り、のんびり家庭菜園を楽しみたいという人や、趣味の充実を求めて住居を考える人もいる。
前出の鹿追町では夏季の涼しい時期だけ北海道に滞在したいという「おためし移住」のニーズが高いという。
特に、移住希望の問い合わせや、実際の移住体験者の話の中で「趣味の充実」を目的の一つに挙げているケースもある。
「移住体験の希望者は、アクティブな趣味を楽しんでいる方が多い。滞在中は写真やバイク、乗馬、登山、ゴルフや家庭菜園などを行っている方も。趣味の充実を目的の一つにした移住の希望は、問い合わせや移住体験者とのやりとりの中で増加していると感じている」(同町企画財政課)。
発信:(株)北海道住宅通信社