歩道で見かけるタイル舗装が、自宅の外構にも利用できるか気になった人も多いはず。そこでこの記事では、歩道で使われる舗装の種類や特徴、そして自宅の外構にも利用できる舗装の種類について、わかりやすく解説していきます。
外出する際、何気なく通った道の歩道のデザインが気になったことはありませんか?
ひと口に歩道と言っても、さまざまな種類がありますよね。
中でもタイルを貼った舗装は、デザイン性が高く目を引くので、自宅の玄関アプローチにも利用してみたいと考える方も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、歩道で使われる舗装の種類や特徴、そして自宅の外構にも利用できる舗装の種類について、それぞれのメリット・デメリットなどに触れながら、わかりやすく解説していきます。
歩道に施工する舗装にはどんな種類があるの?
歩道に施工する舗装の種類は、主に以下が挙げられます。
- アスファルト系混合物舗装
- コンクリート系舗装
- 樹脂系混合物舗装
- ブロック系舗装
- 2層構造系舗装(タイル舗装・天然石舗装)
- 土系舗装
- 型枠式カラー舗装
それぞれ解説していきます。
アスファルト系混合物舗装
一般的に道路に使われているのがアスファルト系混合物舗装です。
その名の通り、アスファルトと特定の材料が混ぜられたもので、路床の上に高温のアスファルト系混合物を流し込んで冷やし固める施工スタイルです。
構成が簡単な上に、施工性も良く、コストが低価格な為、道路の主要な舗装材料となっています。
コンクリート系舗装
コンクリート系舗装は耐久性に優れており、保ちも良いため、高速道路や交差点、トンネル、ガソリンスタンドなどで使われています。
アスファルト舗装が夏場に表面温度が上昇しやすいのに対し、コンクリート舗装は温度上昇を抑えられます。
樹脂系混合物舗装
アスファルト舗装やコンクリート舗装を施工した後、その表面に着色舗装として使われるのが樹脂系混合物舗装です。
強度がないため、車の乗り入れがない歩道に使われることが多いです。
ブロック系舗装(コンクリート平板舗装・インターロッキングブロック舗装)
ブロック系舗装は、コンクリートブロック(インターロッキングブロック)などを敷き詰める舗装です。強度も高いため、歩道から駐車場などの車両が乗り入れる場所まで、幅広く使用されます。
2層構造系舗装(タイル舗装・天然石舗装)
2層構造系舗装は、コンクリートやアスファルト舗装の上にタイルや天然石などをモルタルで貼り付ける舗装です。タイルや天然石などを使用することで、デザイン性が高い舗装と言えます。
土系舗装
自然の土を使用するため、適度な弾力性と衝撃の吸収性があり、子供や高齢者にも歩きやすく、公園や園路によく使用されます。
夏場はアスファルトによるヒートアイランド現象が問題となりますが、土系舗装は路面温度の上昇を抑えるため、環境対策としても注目されている舗装です。
木質系舗装
木質系舗装は、ウッドチップやウッドファイバーを樹脂などと混ぜ合わせた材料で表層を固めた舗装です。弾力性が高く、歩道によく使われます。
型枠式カラー舗装
型枠式カラー舗装は、目地模様を施し色をつける舗装で、意匠性があるのが特徴です。
歩道、歩道橋、プラットフォーム、コンコースなどに使われています。
自宅の外構にも利用できる舗装建材の種類は?
自宅の外構にも利用できる舗装の種類は以下が挙げられます。
- インターロッキング
- 天然石
- タイル
- コンクリート平板
- レンガ
それぞれ詳しく紹介していきます。
インターロッキング
インターロッキングとは、コンクリートブロックをかみ合わせてその間に砂を埋め込み敷き詰める施工方法です。複数のコンクリートブロックを使うことで、車両などの荷重を分散する効果があります。
メリット
インターロッキングのメリットは、コンクリート舗装と比べて吸水力が高く、雨上がりの水はけが良いことが挙げられます。また、雑草も生えづらく、手入れの手間がかかりません。
ブロックのデザインのバリエーションも豊富で、いろいろなタイプの家にも合わせやすいため、人気があります。
デメリット
デメリットは下地処理が難しいことが挙げられます。
水勾配をつけて平らにブロックを敷くのは、腕が良い職人の技が必要です。
下地が適当だと、ブロックが噛み合わず段差が生じたり、平らにならずに綺麗に仕上がりません。小さな段差でも、高齢者や小さな子供はつっかかって転倒しかねないため、ある程度広範囲にブロックを敷く際は業者に依頼するのをおすすめします。
施工性・コスト面
インターロッキングの舗装作業は手間がかかるため、基本的にはDIYは厳しく、プロに依頼するのが賢明です。
インターロッキングの工事価格は1㎡あたり9,000円〜で、ブロックの種類で金額は異なり、端を縁石やコンクリートで固定する際は別途費用が発生します。
天然石
天然石舗装は、奥深い色と質感で見栄えがよく、デザイン性の高い舗装です。
著名な建築物や施設などでよく使われ、自宅では庭や玄関アプローチ、駐車場に彩りを与える舗装材として人気があります。
メリット
デザイン性が高いため、オシャレで高級感のある仕上がりになります。
洋風・和風どちらのスタイルにもマッチします。
耐火性、耐久性にも優れています。
デメリット
強度がないため、車両の乗り入れがある場所には適しません。
自然の石を切り出して加工するため、コストが高くなる傾向があります。
また、天然石の重みや形から、バランスよく配置するのが難しく、経験のある業者に依頼する必要があります。
施工性・コスト面
使う石の種類にもよりますが、1㎡15,000円前後の相場と、コストは高い傾向にあります。
施工は石の加工も含め、経験を積んだ職人でなければ難しく、DIYには向きません。
タイル
タイルはデザイン性、メンテナンス、機能性のポイントでとても高い舗装材です。
デザインも豊富なため、個性的な庭や玄関アプローチのデザインにも適しています。
メリット
タイルを敷くと重厚な雰囲気が生まれ、高級感が演出できます。
汚れもつきにくく、汚れた際はブラシを使って水洗いするだけでほとんどの汚れが落ちます。
デメリット
タイルの種類にもよりますが、雨に濡れたタイルは滑りやすくなります。
特にガラスのような表面のものは滑りやすいため、注意しましょう。
タイルの材質はセラミックや石材など、さまざまありますが、物によっては熱がこもりやすく、気温が高いと高温になる場合があります。
施工性・コスト面
タイル敷きを業者に依頼する場合、1㎡あたりの施工費用の相場は約1万2,000円~1万5,000円程度です。ここに、砕石やモルタル敷きなどの基礎工事費用が、別途1㎡あたり約4,000円ほど追加されます。下地がコンクリートであればDIYも不可能ではありません。
コンクリート平板
コンクリートで作られた、厚さ3〜8cmの平板を並べる工法です。
コンクリートの平板は、シンプルながらカラーバリエーションは豊富で、歩道や商業施設の外構などによく取り入れられています。
メリット
アスファルトやコンクリート舗装と比べて、吸収性があり、水たまりの防止、スリップの抑制、夏場のヒートアイランドの低減など、機能性を帯びています。
デメリット
シンプルなデザインなため、汚れや黒ずみ汚れがつきやすく、目立ちやすいことが挙げられます。また、経年劣化で色が薄くなってくると、無機質な印象になってしまうことがあります。
施工性・コスト面
磁器タイルよりも価格が安く、デザイン性もあるため、ただのコンクリートじゃ物足りない人におすすめです。
平板の加工が不要であればDIYも可能です。
レンガ
洋風デザインに合うレンガは、庭や玄関アプローチに取り入れられ、オシャレな外構として人気があります。曲線も作りやすく、ガーデニングとの相性も抜群です。
メリット
水はけがよく、雨や雪でも滑りにくいといった特徴があります。粘土や泥でできているため、赤みのある茶色系が多いですが、今は寒色系など、さまざまな色やデザインのレンガがあります。
デメリット
乾燥しにくい場所は苔が生える場合があるため、風通しが悪い場所は向きません。
また、主原料が粘土のため、他の素材と比べて強度が劣ります。レンガが割れたり、欠けてしまうリスクがあります。
施工性・コスト面
綺麗な見た目にするには下地作りが重要で、難易度が高い施工となります。
施工費用は1㎡あたり約2万円が相場で、やや高額な傾向にあります。
施工性が高いはめ込み式タイルという選択肢も
すでにコンクリートの地面であれば、BEAT BLOCK(ビートブロック)のような舗装ユニット式タイルを導入すれば簡単に美しいタイルを敷くことができます。
BEAT BLOCK(ビートブロック)とは、枠材にタイルを叩いて埋め込む舗装ユニットです。
従来のインターロッキングのようなブロックを固定する砂目地が不要で、枠材から水が浸透する設計になっています。インターロッキングよりも高い透水性があり、また水勾配をつける必要もありません。
タイルは着脱可能なため、タイルの補修や他のタイルに変更したい場合、その部分だけ取り替えるのみでメンテナンスの手間がかかりません。
施工は一般のインターロッキングと同様、家庭の玄関やポーチなどはもちろん、施工面積が広い商業ビルやホテルの外構にも最適です。
まとめ
以上、歩道に使われている舗装について紹介しました。
どれも業者が下地作りから本格的に舗装作業をするため、1㎡あたり10,000円〜20,000円ほどの費用がかかってきます。
なかなかDIYで舗装を行うのは難易度が高いと言えますが、コンクリートの地面の上に舗装をお考えなら、BEAT BLOCK(ビートブロック)のような設置が簡単なユニット式の舗装材などをうまく取り入れることで、費用や時間的コストカットと、美しい舗装が実現できるでしょう。