自宅の壁を漆喰にしようと思ったり、漆喰の壁に塗り替えようと思ったときには、「漆喰ってどんな効果があるんだろう?」と、疑問を抱くこともあるかもしれません。
自宅の壁を塗り替えたり、新しい壁にすることは、決して簡単ではなく費用もかかります。そのため、できることなら自分たちの住む家にはさまざまな効果をもたらしてくれることが望ましいです。
そこで今回は、漆喰の持つさまざまな効果について詳しくご紹介します。
漆喰について
「塗り壁」と呼ばれるものの中には、漆喰と立ち位置を二分する珪藻土と呼ばれるものもあります。ここでは、漆喰と珪藻土についてご紹介します。
漆喰と珪藻土の違い
漆喰と珪藻土の大きな違いは、「自ら固まるか、固まらない」です。
両者を比較した場合には、珪藻土よりも漆喰の方が強度に優れています。また、漆喰の方が水にも強いので、水回りや外壁にも使用が可能です。珪藻土は水に弱く、内壁にしか使用ができません。
漆喰とは
漆喰とは、消石灰と呼ばれる物質で、水酸化ナトリウムを主原料としています。基本的にはつなぎを加えなくても壁にくっつく性能を持っています。
漆喰は強アルカリであり、非常に高い殺菌効果が期待できます。塗り上がりは少しざらつきます。
珪藻土とは
珪藻土とは、海の底に溜まった藻が長年押し固められてできた石、珪藻が粉々に砕けたものです。サラサラしているのが特徴です。
珪藻土は自ら壁にくっつくという性能は持っていないので、壁に塗りつけるときにはつなぎと混ぜ合わせて使用します。つなぎの種類によって性質が大きく変わります。
調湿性能が高いため、極端に湿度が高くなったり低くなったりするのを防ぎます。塗り上がいはなめらかです。
漆喰の効果
漆喰を壁や天井に塗ると、抗菌・防カビ・湿度調整・消臭効果といった効果が期待できます。細菌やウイルス、カビに対して抵抗効果を持つことは、シックハウス症候群の対策としては非常に効果的です。
以下では、漆喰の効果について詳しくご紹介します。
抗菌作用
漆喰の性質は「pH12以上」という強アルカリ性です。ph12以上の強アルカリ性の環境になると、ほとんどの生物やウイルスは生存できなくなるため、漆喰は抗菌作用に効果的とされています。
乾いた漆喰壁の表面は中性化されているので手で触っても安全です。表面に露出していない部分は強アルカリ性の状態をキープしています。
湿度調整
漆喰はよく「呼吸する壁」といわれています。湿度の高い場所では余分な水分を吸い取り、逆に湿度が低くなると水分を放出するという、湿度調整の機能を持っているためです。
梅雨時期など湿気の高い状態でもお部屋の中は快適で、カビやダニなどの発生を抑制する効果を期待できます。
しかしこれは、カビ菌の発生しにくい空気環境を作り出せるけで、漆喰自身にカビが決して生えないということではありません。
カビは、水分・養分・温度がそろうと、どんな場所にでも発生してしまいます。漆喰のカビ発生に対する対処法としては、室内に湿気をこもらせないことです。
家具や家電製品と壁の間には、なるべく隙間を開けて配置するようにします。また、押し入れもカビが発生しやすいため、定期的に換気したりスノコを置くなどして対処をしておくことをおすすめします。
消臭効果
臭いの原因とされる物質の多くが酸性物質であるため、強アルカリの性質を残す漆喰壁なら消臭しやすいのです。
中古マンションや築年数が多い住宅などは、長い間に蓄積された生活臭が残っていることがあります。漆喰の壁であれば、生活臭の匂いの元となる成分を分解してくれる性能を持っています。
漆喰でウイルスを予防する
漆喰は強アルカリ性であり、その性質から除菌・抗菌効果を発揮します。除菌・抗菌効果は、感染症予防に繋がります。
以下では、漆喰でウイルスを予防することに関してご紹介します。
漆喰がウイルスを分解する
ウイルスは、エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの2種類が存在します。
2020年~2021年にかけて大流行している新型コロナウイルスは、エンベロープウイルスです。エンベロープウイルスには、インフルエンザウイルス・ヒト免疫不全ウイルスなどがあります。
エンベロープは、大部分が脂質でありエタノールや石鹸で死滅させることが可能です。そのため、消毒用アルコールが有効であるとされています。
漆喰は水で練った状態で、アルカリ水溶液となります。アルカリ水溶液には、腐食性があり、脂肪を酸化しタンパク質を変性させ、さらに加水分解します。
従って、ヒトにおける病原体を含むエンベロープウイルスを、漆喰が不活性化させるという理論が成り立つのです。
漆喰がウイルスの生存率を下げる
ウイルスは、気温と湿度が高い環境を嫌うため、気温と湿度によって生存率が大きく変わります。例えば加湿器などで湿度を上げ過ぎると、結露などによってカビの発生を誘発してしまいます。
漆喰は、ビニールクロスに比べ、保温効果・調湿効果に優れています。保温効果では、熱伝導率の違いにより、エアコンの温度設定が2~5度変わります。調湿効果では、湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出します。漆喰に囲まれた空間であれば、ウイルスの除去が期待できると同時に、保温ができます。
漆喰を天井と壁に塗ることで、室温を一定に保ち、湿度を調整することが可能です。
JAPAN漆喰の抗菌について
消石灰が主成分のJAPAN漆喰にヒト・コロナウイルス(HCoV-229E)を付着させて試験を行いました。
結果、「120分間でウイルスをほぼ100%不活化する」ことが明らかになりました。
※注意)ヒト・コロナウイルスは、新型コロナウイルス(COVID-19)とは異なるウイルスです。
しかし、2つのウイルスは遺伝子情報が90%以上合致していることも明らかになっているため、新型コロナウイルス(COVID-19)に対しても効果が期待できると考えられます。
室内空間が適度に保たれず、乾燥したり湿気過多になるとウイルスが侵入しやすくなるといわれています。
※注意)この実験はウイルス感染を予防させるものではありません。又、あくまで実験レベルでJapan漆喰に付着したヒトコロナウイルスが不活化したという結果で臨床試験ではありませんので、内装材としてウィルス抑制効果を永続的・安定的に示すものではありません。
漆喰のメリット・デメリット
漆喰にはメリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは、漆喰のメリットに加えて、デメリットもご紹介します。
漆喰のメリット
漆喰の一番のメリットは、優れた調湿効果です。漆喰には細かな穴がたくさん開いており、多孔質な表面で湿気をコントロールしています。梅雨など湿気の高い時期でも、カビやダニの発生を抑制する効果を期待できます。
メンテナンスのコスト
長時間経過してもほとんど見た目の変化がありません。ほこりやゴミなどが付着しにくいのも特徴です。
ビニールクロスを貼って壁を仕上げる場合と比較すると、工期が長く費用も高くなります。しかし、ビニールクロスのように何度も張り替える必要がありません。
長期的にみるとビニールクロスよりもコストパフォーマンスに優れているといえるかもしれません。
メンテナンスしやすい
壁に落書きして汚した場合、落書きした上から薄く漆喰を上塗りすればきれいにできます。ちょっとした汚れであれば、自宅にある消しゴムを使ってきれいに消すことが可能です。
ビニールクロスを貼って壁を仕上げる方法に比べて、漆喰はメンテナンスしやすくきれいな状態を維持しやすいといえます。
耐火性に優れる
漆喰は、耐火性にも優れています。燃えにくい素材であり、不燃材料として建築基準法の中でも認められています。
日本の現代住宅では、ビニールクロスを貼って壁を仕上げることが一般的ですが、ビニールクロスは化学物質で作られています。
万が一火事になって燃えてしまった場合には、ビニールクロスから有毒ガスが発生する可能性があります。漆喰の場合は自然素材であるため、有毒ガスが発生する確率は極めて低いです。
漆喰のデメリット
漆喰のデメリットは、施工にかかる時間が長い・ひび割れの可能性がある・漆喰を塗りたてのときは粉が落ちる、といった3つのことが挙げられます。
施工にかかる時間
漆喰は、ビニールクロスのように接着剤で貼って終わりではありません。養生・下塗り・仕上げ塗りといった工程を経る必要があり、時間も手間もかかります。
ひび割れの可能性
漆喰は、下地の状態や施工環境の影響でひび割れが起こる場合があります。また、地震の振動などでひび割れが生じる場合もあります。
ひび割れのリスクを最小限に抑えるためには、下地処理から仕上げ塗りまでを丁寧に正しい施工手順で行うことが大切になります。
塗り立て後は粉が落ちる
漆喰を塗りたてのときは、表面のザラザラした部分がかなり細く脆弱になっていることがあります。細く脆弱になっている部分は、触るだけでポロポロと白い粉が落ちてしまうことも少なくありません。
乾くに従って固くなっていく気硬性という漆喰の性質も大きく影響しています。押入やクローゼットの中については、塗り壁自体を避けた方が良いかもしれません。
まとめ
漆喰の効果についてご紹介しました。漆喰にはさまざまな効果を期待できます。
2020年~2021年にかけて大流行しているコロナウイルスの影響で、多くの人が抗菌・除菌を意識して生活をしています。
漆喰には抗菌を期待できるという実験結果も公表されています。漆喰の壁を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
抗菌・抗ウイルス対策に「JAPAN漆喰」を活用
抗菌・抗ウイルス対策にJAPAN漆喰を活用するのがおすすめです。以下で、JAPAN漆喰について詳しくご紹介します。
JAPAN漆喰について
JAPAN漆喰は、100%天然国産漆喰です。日本国内有数の良質な石灰石を原料とし、伝統的な塩焼工法で、じっくりと時間をかけて窯で焼成します。
塩焼製法で作られた石灰石は、より白くひび割れに強い、純度の高い漆喰になります。100%天然素材で作られているため、揮発性有機化合物などの人体に有害な物質を一切含んでいないのが特徴です。
無機物が原材料であるため、火気に強く高い防火性能を有しています。また、漆喰の主原料である消石灰は、強アルカリ性でカビや菌の発生を防ぐ作用を持ちます。そのため、家の中を清潔に保つことが可能です。
また、JAPAN漆喰の壁にヒト・コロナウイルスを付着させる実験では、「120分後にウイルスをほぼ100%不活化する」ことが明らかになっています。実験結果からも、抗菌に対して期待ができます。
JAPAN漆喰の壁は、空気が乾燥した時でも湿度を放出し、室内空間を適度な湿度に調節してくれます。そのため、常に室内を適切な湿度に保て、結果としてウイルスの予防につながります。
※注意)この実験はウイルス感染を予防させるものではありません。又、あくまで実験レベルでJapan漆喰に付着したヒトコロナウイルスが不活化したという結果で臨床試験ではありませんので、内装材としてウィルス抑制効果を永続的・安定的に示すものではありません。
JAPAN漆喰の費用
JAPAN漆喰の安設計価格は、 ¥4,500〜¥5,000 / m²です。材工の場合の目安価格であり、材料のみの販売となります。
塗り方のパターンによって価格は変動するため、あくまでも目安として参考にしてみてください。