同じ住居に長く住んでいると、内装が傷んだり古くなったりして新しいものに変えたくなるものです。内装リフォームにはさまざまな種類があり、それぞれにある程度工期や費用の目安があります。
内装リフォームを検討するのであれば費用・工期の目安をある程度知っておき、ポイントを押さえた上で実施することで、後悔が減らせるでしょう。そのため今回は、内装リフォームの種類やそれぞれの費用・工期目安、押さえるべきポイントやDIYリフォームに関して解説します。
内装リフォームとは
内装リフォームとは、室内にある壁や天井、床などの装飾、水回りの設備などの一部またはすべてを工事することを指します。内装工事の種類は、非常に多岐に渡ります。全てを一度に行うと費用が非常にかかるため、まずは気になる部分からリフォームを検討してみるのがおすすめです。
内装リフォームの流れ
内装リフォームの流れを簡単に整理すると、以下の通りです。
1.リフォーム内容の希望と予算を確認する
2.業者と相談しつつ見積もりを作成する
3.現地調査を実施してより正確な工事費を出す
4.問題が無ければ正式に契約をする
5.周辺住民へのあいさつや仮住まいへの引っ越しなど事前準備をする
6.工事を実施する
7.完成後、引き渡し
引渡しの際には内装に傷がないかをチェックし、万が一不備などがあった場合は業者に申し出ます。
種類別|内装リフォームの費用相場
ここでは、内装リフォームの費用相場を種類別に紹介します。実際の金額は工事内容によって異なりますが、ある程度の相場を知っておくと依頼時の目安になるため便利でしょう。
なお、ここでご紹介する費用相場や日数はいずれも目安であり、ケースによっては別途費用・日数がかかることもあります。
クロスの張り替え
クロスとは、壁紙や天井に貼る内装材のことです。既存のクロスをさまざまな種類の中から選び、新しいクロスに張り替える作業です。10年程のサイクルで行うのが良いとされていますが、水回りなど傷みやすい箇所はより早いサイクルで行うことをおすすめします。クロスには主に量産品クロスと1000番台クロスの2種類があり、基本的には1日で工事が終わりますが、施工範囲によっては2日程度かかることもあります。
量産品クロス
大量生産されており、マンションなどで使用されているシンプルなデザインが多い基本の壁紙です。
・費用相場:700円~1,200円/㎡程度
1000番台クロス
色やデザインが豊富で、中には消臭などの追加機能があるクロスです。部屋や好みに合わせて選択でき、量産品クロスと比較するとグレードが高いものが多いため、やや高額だと言えます。
・費用相場:1,000円~1,700円/㎡程度
砂壁・漆喰からクロスにリフォーム
砂壁や漆喰をクロスに変えることも可能です。砂壁や漆喰のうえにクロスを直接張る方法と、合板や石膏ボードを貼ってその上からクロスを貼る方法の2種類があります。直接クロスを貼る方が費用や工事期間を抑えられますが、壁の劣化具合によっては施工できないこともあるため、合板や石膏ボードを張る方法を選択します。
・費用相場:10万円程度
・工事期間:1~2日程度
クロスから塗り壁にリフォーム
既存のクロスをはがし、下地を整えて塗装を行います。内装工事では水性塗料を多く用いますが、業者によっては油性塗料を使用することもあります。油性は臭いが出たり化学物質を含んでいたりすることがあるため、色なども含めてあらかじめ業者に確認しておくようにしましょう。
・費用相場:5~15万円程度
・工事期間:1~4日程度
防音の壁にリフォーム
生活音や外からの音を減らせる壁にリフォームすることも可能です。クロスの下に遮音シートを張る方法と内窓を追加する方法の2つがあります。遮音シートとは音を跳ね返す樹脂製のシートであり、壁紙や石膏ボードの下に入れます。内窓とは既存の窓の室内側にもう1枚サッシと窓を設置し、既存の窓と新しい窓の間に空間をつくることで防音効果(断熱効果も)を上げる方法です。
・費用相場:<遮音シート>15~20万円程度<内窓>5~8万円程度
・工事期間:<遮音シート>1~3日程度<内窓>1~4日程度
フローリングの張り替え
既存のフローリングを新しいフローリングに張り替えることで、内装の雰囲気は大きく変わることもあります。フローリングには主に集成材と無垢材の2種類があります。
集成材フローリング
一般的なリフォームで使用される、合板のうえに表面材を貼り合わせたフローリングです。
加工しやすいために比較的手軽に工事でき、傷つきにくく耐水性にも優れているうえに価格も比較的リーズナブルだと言えます。
・費用相場:5~10万円/6畳
・工事期間:1~3日程度
無垢材フローリング
天然木を加工した1枚板であり、高級感があって自然な仕上がりになります。ただし費用が比較的高額になり、ねじれや曲がりが起きやすい点には注意が必要です。
・費用相場:10~25万円/6畳
・工事期間:1~3日程度
部屋間仕切りリフォーム
もともと一つだった部屋を分ける場合や、寝室とリビングを仕切る場合などに行うリフォームです。方法は主に以下の3つです。
・アコーディオンカーテン
・パネルドア
・壁の設置
アコーディオンカーテン
蛇腹のように折りたたみできる引き戸を設置します。比較的簡単に設置でき、解放すれば隣接する部屋同士がつながって広い空間になります。また、カーテンを閉めた状態でも天井に空間ができるため圧迫感をおぼえにくい点も特徴的です。
・費用相場:5,000円~6万円程度
・工事期間:1~2日程度
パネルドア
折り畳みができる間仕切りであり、多くは木目のパネルを複数つなげて作るため、部屋の雰囲気になじんでお洒落な雰囲気が出せます。半透明のガラス張りで、採光性に優れているタイプもあります。
・費用相場:1~40万円程度
・工事期間:1~2日程度
壁の設置
部屋の中に新しく壁を造設する工事です。子供部屋など、子供がプライベートな空間を要する年頃になった場合に選ばれることが多いです。
・費用相場:8~25万円程度
・工事期間:3日程度
和室から洋室リフォーム
和室を洋室に変えると、部屋全体の雰囲気が大きく変わります。近年では快適なフローリングを希望する方も多く、リフォーム需要が高まっています。畳を撤去した後、補修を行い、フローリングに張り替える工事が基本です。フローリングの床にあわせて天井や壁、ドアなどもリフォームするとより洋室らしくなります。
・費用相場:70~100万円/6畳
・工事期間:5日~程度
畳を新しくするリフォーム
古い畳を新しい畳に交換するリフォームも可能です。また、交換ではなく裏返して、未使用の面を表にする方法もあります。
・費用相場:7~10万円/6畳(裏返す場合は約3,500円/1畳)
・工事期間:2~10日程度
手すり取り付けリフォーム
例えば高齢者の方のために、階段や浴室に手すりを取り付けます。手すりが必要な場所や高さなどをよく検討して設置しましょう。
・費用相場:3~9万円程度
・工事期間:1~2日程度
内窓の追加リフォーム
既存の窓の内側にもう1枚窓とサッシを追加するリフォーム方法です。窓と窓の間に空間ができるため、防音効果と断熱効果が期待できます。
・費用相場:5~8万円程度
・工事期間:1~4日程度
キッチンリフォーム
キッチンリフォームは、水道工事の有無やキッチンのグレード、I型やL型などキッチンの形によって費用が大きく異なります。例えばシステムキッチンを導入する場合の予算は、以下の通りです。
高グレードなシステムキッチン
・費用相場:100~150万円程度
・工事期間:2~6日程度
スタンダードなシステムキッチン
・費用相場:30~100万円程度
・工事期間:2~6日程度
トイレリフォーム
リフォームの内容によって、費用・工期は異なります。
ここでは、以下3パターンの費用と工期をお伝えします。
便器の交換
便器そのものを一体型トイレやタンクレストイレなどに交換します。
・費用相場:10~30万円程度
・工事期間:2~3時間程度
和式から洋式への変更
和式から洋式トイレにリフォームするには比較的長い工事期間がかかります。既存トイレの解体・撤去や段差をなくす工事を行い、給排水管の状態によっては新規で配管設置工事も行います。
・費用相場:20~50万円程度
・工事期間:2~5日程度
トイレの新設工事
トイレの新設は、配管の位置や間取りなどによって費用・工期が異なります。また2階か屋外か新設する場所によっても費用・工期は異なります。
・費用相場:50~70万円程度
・工事期間:5日~2週間程度
お風呂リフォーム
お風呂リフォームには、以下の3つのパターンが考えられます。
・ユニットバスからユニットバスへ
・在来工法の浴室からユニットバスへ
・ユニットバスから在来工法へ
ユニットバス交換
ユニットバスとは、あらかじめ製造されている浴室の壁や床、浴槽などのパーツを、施工現場で組み立てて作る浴室のことです。規格品を現場で組み立てるだけであるため、比較的早く工事が完了します。掃除がしやすく保温効果が高い点も特徴的です。
・費用相場:80~100万円程度
・工事期間:3~5日程度
在来工法の浴室からユニットバス
在来工法とは、古くからある日本家屋に設置されている浴室の建築方法です。在来工法の浴室からユニットバスにリフォームするケースは、近年に多くあります。
・費用相場:65~150万円程度
・工事期間:7~10日程度
ユニットバスから在来工法の浴室
在来工法の浴室は自由度が高く、基本的にはオーダーで組み立てていくため、比較的高額になりやすいと言えます。
・費用相場:65~150万円程度
・工事期間:2週間程度
洗面台リフォーム
まず洗面台の間口や高さなどのサイズを細かく計測してから、交換工事を実施します。
システムタイプの場合はカスタマイズ性が高いが、その分費用は高額になります。
・費用相場:20~25万円程度(システムタイプの場合は20~60万円程度)
・工事期間:2週間程度
床暖房リフォーム
床暖房には電気式と温水式の2種類があります。
電気式の場合
床下に発熱体を設置し、電気を通して床を温めます。設置は比較的容易で設置コストも抑えられますが、ランニングコストはやや高めになってしまいます。冬場で特に寒くなりやすい場所への設置がおすすめです。
・費用相場:25~35万円程度
・工事期間:1~2日程度
温水式の場合
床下に温水を循環させる設備を設置します。専用の床材とセットで設置しなくてはならず初期費用が高額になりますが、ランニングコストを抑えられます。
・費用相場:35~40万円程度
・工事期間:2~4日程度
内装リフォームを行う時期の目安
内装リフォームは、時期によって行うべき箇所が異なります。ここでは、築年数ごとにリフォームをおすすめする箇所を紹介します。ただし、ここで紹介するのはあくまでも目安であり、実際にリフォームが必要なタイミングは使用状況やメンテナスの有無によって異なる点は注意しましょう。
築年数5~10年
築年数5~10年の段階では、以下のリフォームをおすすめします。
・壁や天井の張替え
・フローリングの補修
・ふすまや障子の交換
築年数10~15年
築年数10~15年の段階では、以下のリフォームをおすすめします。
・天井のメンテナンス
・廊下のメンテナンス
・トイレリフォーム
・畳の張替え
・木材の壁を補修
築年数15~20年
築年数15~20年の段階では、以下のリフォームをおすすめします。
・カーペットの交換
・フローリングの張り替え
・壁の塗り替え
・キッチンリフォーム
・浴室リフォーム
・窓の交換
築年数20年以上
築年数20年以上の段階では、以下のリフォームをおすすめします。
・洗面台の交換
・タイル床の補修
内装リフォームのポイント
ここでは、内装リフォームのポイントを9つ紹介します。実際にリフォームを依頼する際の参考にしてみてください。
内装リフォームに強い業者を選ぶ
業者へ依頼する際には、内装リフォームに強い業者を選ぶことがおすすめです。業者によって得意分野が異なるため、リフォームしたい箇所の施工が苦手な業者を選んでしまうと、希望に応じた内容や価格でのリフォームができない可能性もあります。リフォームの成否のカギは業者選びだと言えるため、以下のポイントを押さえてチェックしてみましょう。
・内装リフォームの実績が豊富
・専門知識を持ったプランナー・インテリアコーディネーターが在籍
リフォーム業者探しは複数社を比較する
複数の業者に見積もりを依頼して比較することも、大切なポイントです。同じリフォームを依頼しても業者によって金額が異なることは多々あり、保証やアフターサービスなどにも違いが出ます。保証がない場合、工事後に不具合が生じたら新たに費用を負担して直す必要が出てしまいます。最低3社程度を目安にして、最も条件が良い業者を選択しましょう。
工事のスケジュールを確認する
工事期間と内容は、細かく把握しておくようにしましょう。複数の業者に見積依頼をすることで比較できます。あまり詳細に予定が決まっていない業者の場合、後で追加工事を提案されて費用・工期が余計にかかることも考えられるため注意です。また工事をスムーズに進めるためにリフォーム箇所周辺を片づけておくことも大切です。大きな音が出る可能性があれば周辺住民に事前に断っておきましょう。
部分的なリフォームを避ける
内装リフォームでは、部分的なリフォームを避けた方が無難だと言えます。
劣化している一部分だけを交換すると、その周りとの色あいや風合いのバランスが悪くなってしまうためです。
また、例として壁一面のみクロス貼替えをするよりも部屋全体のクロスを一度に貼替えた方が、単価が下がり費用が抑えられるケースもあります。
サンプルで事前に確認する
リフォームに使用する素材は、サンプルで事前に確認しましょう。
完成のイメージがわくと、後から後悔することが減ります。
サンプルの確認にあたっては幾つかのポイントがあります。
例えばクロスの色あいは光の当たり具合によって変化しやすいので、昼・夜の違いについても確認するようにしましょう。
また、サンプルの大きさによって色あいの印象が変わることもあります。
そのため壁紙などはなるべく大きなサンプルで確認することがおすすめです。
建物の耐久性が低くなっている可能性がある
築古の家屋やマンション、アパートだと、内装リフォームに耐えられないほどに耐久性が低くなっている可能性があります。
この場合無理に工事を進めると建物全体にダメージがかかることもあるため、中断や中止を検討せざるを得ないこともあります。
マンションの場合は管理会社に確認する
マンション・アパートの場合、リフォーム工事前に管理者へ必ず許可を取らなければなりません。
独断で工事を進めると後で自費での現状復旧を求められるなど、余計なトラブルや費用が発生する可能性があります。
リフォームできる箇所とできない箇所は大抵規約で決められており、通常は共有部の玄関や窓枠、壁や配水管などのリフォームは禁止されています。
線引きはマンション・アパートによって異なるため、必ず事前に確認するようにしましょう。
アレルギーが発生しない素材を使う
内装のリフォームでは、アレルギーが発生しない体に優しいものを選びましょう。
アレルギー物質が含まれる素材を使うと、喘息など健康上の問題を起こす可能性もあります。
アレルギーの有無は業者に相談すると教えてもらえるため、工事内容を確認する際にあわせて確認しておきましょう。
リフォーム箇所に合わせて素材を選ぶ
リフォーム箇所に合わせて素材を選ぶことも大切です。
肌触りや硬さは、実際に生活する際の快適さや安全性に関わってきます。
例えば、集合住宅では足音が響きやすいので、壁紙や床材に防音効果のある素材を用いることも1つの手です。
また、子ども部屋の床は子どもが小さいうちはケガを防止するため柔らかい素材にし、加えて、傷ができやすいため傷みにくい素材や傷が目立ちにくい素材がおすすめでしょう。
そして水回り部分では、滑りにくく腐食しにくい素材がベストだと言えます。
内装リフォームのDIY
内装リフォームは、DIYでできる場合もあります。
DIYでできる箇所には、主に以下が挙げられます。
・壁のリフォーム
壁紙の張替えや、室内用の塗料での塗り替えなどです。
他にもノリや木工用の接着剤を使って補修も可能です。クロスの汚れを落とすだけでも雰囲気は変えられます。
・床のリフォーム
クッションフロアやフロアタイル、タイルカーペットに張り替えたり、フローリング材を部屋のサイズに切断して張り替えたりします。
DIYにあたり、通常は以下のような工具をそろえる必要があります。
・電動ドライバー
・ハンマー
・丸ノコギリ
・メジャー
・サシガネ(L字のものさしのようなもの)
まとめ
内装リフォームとは室内の壁や天井、床などの装飾、水回りの設備などの一部またはすべてを工事することを指し、工期や費用にはある程度の相場があります。
内装リフォームを行う際には内装リフォームに強い業者を選び、なるべく多くの業者に見積もりを依頼するなど、ポイントを押さえることで納得のいくリフォームができます。
また、壁や床の内装リフォームはDIYも可能です。
壁紙をリフォームしてお部屋の印象を変えてみませんか?
内装の中でも壁は部屋の割合の大部分を占めているので、部屋の印象に大きく影響します。そんな壁紙にこだわりをもって、おしゃれな部屋にしてみてはいかがでしょうか?
壁紙を塗り壁を検討している、もしくはリフォームを予定しているなら、
「壁紙でもない、塗り壁でもない」、クロスと塗り壁の良いところをあわせた新しいデザインのLiquid Wallpaper(液体壁紙)がおすすめです。
「シルクプラスター」という内装DIY用の商品はご存じでしょうか?
シルクプラスターは、ヨーロッパで生まれた商品です。
2種類の商品は、他にはないこだわりの素材感と豊富なカラーバリエーションで、楽しくおしゃれに壁紙を自分好みにできます。
・アートデザイン:毛糸をほぐしたようなふわふわ感のある商品
・ヴェルサイユ:キラキラ・ラメ仕様で照明が映える商品
他にも特徴として
・帯電防止効果があるためホコリがつきにくく、無臭で低刺激な天然抽出物だけを使用
・VOC(揮発性有機化合物)フリーではヨーロッパ最高ランクを獲得しており、防音性、遮熱性、色もちにも優れた環境にやさしい天然リキッドウォールペーパー
といった点ががあげられます。
プロの職人さんに施工してもらうことも可能ですが、内装DIY用の商品なので、DIYがはじめての場合でもバケツと専用プラスチックコテがあれば簡単にできます。