住まいの中でもっとも大きな面積を占める壁が変わると、空間のイメージはガラリと変わります。「新築マンション購入時のシンプルな壁紙は好みに合わない」「少し汚れやキズが気になる」「ペットや子供のために壁紙を変えたい」など、さまざまな理由で壁紙リフォームを検討されると思いますが、その際に知っておくべき壁紙リフォームの基本知識とは一体どんなものでしょうか?失敗しない壁紙リフォームのためのポイントをご紹介していきます。
マンションでも壁紙は変えられるのか?
分譲マンションには専有部分*と共用部分があり、専有部分の壁紙は自由に壁紙・クロスの張り替えリフォームをすることが可能です。*「○号室」として区切られた空間内の天井や壁、床の内側エリアのこと)
賃貸マンションの場合は、借主が勝手にリフォームはできません。まれに、原状回復費を払えばOKという貸主(大家さん)もいらっしゃるので、その場合は、貼ってはがせる壁紙シートなどを使って既存の壁紙を傷つけない方法でリフォームしましょう。
下記は、分譲マンションの壁紙・クロスの張替リフォームをする際に、事前に確認しておくべき2つのポイントです。
管理組合に届出をする
壁紙をリフォームする場合、管理組合に工事の届出が必要な場合があります。施工業者が出入りしたり、騒音などが発生する場合があるからです。管理規約にも事前申請の有無などの条件が記載されているのでチェックしてみましょう。不明点は管理会社・組合に相談するとよいでしょう。
マンションの構造を理解しておく
マンションの場合、鉄筋コンクリート造が多く、壁の場所によってはコンクリート面に壁紙を直張りしていることがあります。壁紙の種類によっては表面を特殊なフィルムで加工している場合があり、その壁紙をコンクリートの壁に直接張ると空気がコンクリート側にもフィルム側にも逃げられず、フクレのようなものが生じる場合があります。施工業者に事前に相談し、コンクリート壁に直接張り付けられる壁紙を選ぶなどの工夫が必要です。
マンションの壁紙リフォームの費用相場
使用する壁紙の種類にもよりますが、一般的な6畳の部屋の壁紙をリフォームする際の費用は4万円~10万円程度、3LDKであれば50万円程度が相場とされています。部屋1つ1つのリフォームを依頼するよりも、まとめて依頼した方が安く済む場合が多いことも覚えておくとよいでしょう。
マンションの壁紙リフォームの内訳
それでは具体的に、かかる費用の内訳を見ていきましょう。
・材料費
壁紙そのものの費用です。リーズナブルなものからハイグレードなものまで、好みや機能性で選べます。
リフォームする壁に対して必要な壁紙の枚数・長さを割り出し、単価をかけて算出します。
・施工費
職人の人件費です。施工会社によっては職人の交通費も請求されることがあります。
・養生費
周囲の家具やコンセントなどをが汚れないように養生シートなどを貼り保護する作業の費用です。
・下地処理費
既存の壁紙を剥がした後、下地を整備するための費用です。
・廃材処分費
古い壁紙の処分費用です。
・荷物移動費
壁紙リフォームにあたって、大型の家具の移動を依頼する場合には別途費用が発生します。
【ここがポイント!】
項目の分け方は施工会社によって異なります。例えば、
・材料費に下地処理費・廃材処分費が含まれている
・施工費に職人さんの交通費が含まれている
など、同じ内訳でもその内容は施工会社によって異なるため、複数の見積もりを取ったら見比べ、疑問に思ったことは細かく確認をしておきましょう。
壁紙のリフォーム費用の目安
ここでは、リフォーム費用を算出するために知っておくべき基本情報をご紹介します。
<壁紙クロスの一般的な単価>
・リーズナブルな壁紙(量産クロス):1000~1200円/1㎡
・ハイグレードな壁紙(1000番台):1400~1600円/1㎡
6畳の部屋の場合は、スタンダードな壁紙で4~7万円、ハイグレードな壁紙で5~8万円が目安です。窓の大きさや天井の高さによって部屋の壁面積が多少異なっても、施工費に大きな影響はありません。
【ここがポイント!】
その1:
工事後のアフターサービスの有無も確認しておきましょう。アフターサービスがある場合の保証期間やサービスを受けるための条件など、事前に確認しておきましょう。
その2:
トイレや洗面所などの比較的狭い空間は作業がしづらいため、作業費が高くなる傾向にあります。
壁紙のリフォーム費用の注意点
複数の会社から見積もりを取る場合に気を付けたいのは、クロスの単価の「単位」です。
上記でご紹介した壁紙クロスの単価は「1㎡(平米)あたり」でご紹介しましたが、施工会社によっては「1m(メートル)あたり」の単価で見積もりを作する場合があります。
一般的な壁紙のロール幅は90cmなので、1mの壁紙の面積は「1m × 0.9m =0.9㎡」となり、「1㎡単価 = 1m単価」という認識で比較をすると、最終的な合計面積に誤差が生じてしまいます。ご注意ください。
壁紙リフォームの施工期間
マンションの壁紙を張替える場合の施工期間はどの程度になるのでしょうか?
3LDKの部屋を例とした場合、空き室なら天井と壁を合わせて約3日が目安です。家具の運び出しがある場合は、追加で約1日程度必要です。
部屋単体の場合は、職人さん1人あたり1日約30㎡作業できると考えれば計算しやすくなります。正確な工事期間を知りたい場合は、リフォーム会社に見積もりを依頼すれば、ある程度の目安を立ててもらえるでしょう。
マンションリフォームで使われる壁紙の種類
日本のマンションリフォームで使われている5つの壁紙タイプをご紹介します。それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の目的や好みに合わせた壁紙選びの参考にしてみてください。
ビニールクロス
価格が安く、耐久性が高く、水を通さないため油汚れも拭き掃除で簡単に落とせるのが魅力です。消臭・抗菌・防カビなどの工夫された機能を備えた商品も次々に開発されています。木目調、織物調、大理石やレンガ風などの石目調、和紙などの紙模様、プリント柄など、色・デザインのバリエーションが豊富なため、空間に合わせてコーディネートしやすいのも特長です。
ビニールクロスは大きく分けて、[1]リーズナブルな「量産クロス」と、[2]ハイグレードな「1000番台クロス」に分かれます。
量産クロス
「量産」という名の通り、大量生産されている商品です。価格も仕入れ値で140円/m程なので、リフォーム予算を抑えたい時にはぴったりです。最近は色柄の種類や機能性の高いタイプも増えています。
1000番台クロス
一方、1000番台クロスは、メーカー希望小売価格1000円以上のハイグレードな壁紙を指します。量産クロスよりも色柄が豊富で、機能が豊富です。消臭や抗ウイルス効果がある、アレル物質のはたらきを低減させる、傷に強い、湿気をコントロールする、など部屋の環境を整えるために役立つ機能が選べます。
紙壁紙
紙素材は、音を吸収し、空気を通してくれるメリットがあるため、寝室などに最適です。和紙の壁紙なら日本人になじみのある居心地のいい印象に仕上げられ、洋紙なら外国風の雰囲気を演出できます。基本的に自然材料を使うため、化学物質が不安という方にも人気です。
ただし、ビニールクロスに比べて薄いため、下処理を怠ると下地の凹凸や目地がそのまま出てしまうというデメリットも生じます。リフォームを依頼する際は、紙クロスの施工実績が豊富な業者選定が必須です。また、慣れている業者であっても下地処理の手間がかかることから、費用が高くなる傾向もあるのでご注意ください。
織物壁紙
「織物クロス(布クロス)」には、木綿・麻などの自然素材を使ったタイプや、パルプ・ポリエステル・レーヨンなどの化学繊維を絡み合わせて作られるタイプ、その他、シルク素材・サテン素材などがあります。
高級感や重厚感があるため、美術館やホテルで取り入れられていることが多いです。破れにくく頑丈で、水に濡れても伸びにくいという性質があります。紙クロスと同様で通気性に優れており、ジメジメしている時には湿気を吸収・乾燥時には水分を放出してくれます。
一方で、汚れが付着すると落としにくく、防火性のある商品が少ないため、キッチンや汚れやすい部屋での利用には向きません。また取り扱いが少ないため、施工業者を探すのに一苦労する可能性もあります。
珪藻土壁紙
天然素材である珪藻土を内装材として、利用しやすいクロス(壁紙)に仕立てたものです。防火性に優れ、味わいのある風合い・質感をリーズナブルな値段で実現できます。ザラザラとした手触りがあり、印刷では表現できない繊細な色合いや奥行きを見せてくれます。
ですが、ザラザラしているということは少しこすっただけで汚れが付きやすい上に、汚れてしまった場合でも拭き掃除でサッと汚れを落とすことが難しいという一面もあります。壁紙選びの際に実際に触って、汚れの付き具合なども確かめておくとよいでしょう。手入れ方法などについても事前にチェックしておくと安心です。
液体壁紙
ここまででご紹介した壁紙の種類以外にも「液体壁紙」と呼ばれる壁紙があります。
「液体壁紙」とは、シルクやセルロースの繊維が配合された粉末に水を混ぜて壁に塗るタイプの壁紙です。比較的新しく日本ではあまりまだ知られていませんが、ヨーロッパでは注目の新素材です。
塗った後も汚れた部分に霧吹きで水を吹きかけるだけで簡単修復が可能です。ただし、水に弱いので湿度の高くなる部屋には使用できません。また、まだ日本で普及していない新素材なので、素材を取り寄せるまでに時間がかかるなど、入手に一苦労する可能性があります。
タイプ別|マンションの壁紙選びのポイント
マンションの壁紙リフォームにはどの程度の費用がかかるのでしょうか?
費用項目を見たうえで、リフォーム費用の目安や注意点を紹介していきます。
リーズナブルに抑えたい
壁紙リフォームの費用をリーズナブルに抑えたい人には、量産クロスがおすすめです。量産クロスは壁紙自体の価格が安く、職人さんが扱いやすいので施工費も抑えられます。「量産クロスに好みの色柄がない」「機能性が不十分」といった場合は、部分的に1000番台クロスを使うとよいでしょう。例えば、玄関やお客さんを通す部屋にだけグレードアップするなど、ご自身の優先度を整理して壁紙を選んでください。
外国風にしたい
北欧風・カリフォルニア風など異国情緒たっぷりの部屋に仕上げたい場合は、輸入品の紙壁紙を探してみてください。国産品にはあまりない大胆なデザインや華やかな色合いの壁紙ががたくさんあります。ただし、部屋の全面に紙壁紙を使用すると、費用が高額になったり、部屋の雰囲気が派手になりすぎたりするので、アクセントクロスとして部分使いする方法も検討してみるとよいでしょう。
汚れやキズが気になる
ウレタンや特殊なフィルムでコーティング加工されているタイプの壁紙は、キズがつきにくく、汚れが落としやすいので、キッチンや子供部屋など、汚れやキズが気になるエリアにオススメです。フィルム汚れ防止・抗菌機能のある壁紙を選びましょう。
ニオイが気になる
消臭効果が備わっている壁紙は、ニオイを吸着・分解、消臭してくれるので、生ゴミやトイレ、タバコなどニオイが気になる場所におすすめです。
ペットを飼っている
汚れやキズの中でも、特にペットを飼っている方向けにおすすめなのが、強力な耐久性を備えたペット用の壁紙です。また、壁の上下で壁紙を分ける方法も効果的です。例えば、ペットが直接壁に触れる壁の下部(腰壁)は引っかききずやキズ対策されたタイプ、上の壁や天井には、消臭効果のある壁紙を使用するとよいでしょう。
結露やカビが気になる
調湿性を求めるなら、夏は湿気を吸い、冬は水分を放出して乾燥をやわらげてくれる珪藻土や、消臭・抗菌・防カビ効果をもつ日本漆喰が配合された壁紙がおすすめです。ただし、壁紙の調湿性には限界があるため、吸放湿量の大きい下地材と合わせて検討することが大切です。
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壁紙の色の選び方
壁紙選びのポイントとして、予算や機能性といった現実的な面に加えて、デザイン面の考慮も欠かせません。リビング、寝室、洗面台など、部屋ごとに色柄の選び方のポイントがあるので、一つ一つ紹介していきます。
リビングの壁紙の色
リビングは家族が集まり、長い時間を一緒に過ごす憩いの部屋です。暖かで落ち着いた色柄を選ぶことがポイントです。一般的には白を基調とした明るいシンプルな壁紙を選ぶと、広々とした印象になります。
また、家具や床色、窓枠の色味とマッチするかどうかも大切です。家具がブラックやこげ茶など暗めの色の場合は、白よりもワントーン暗いベージュやグレーの壁紙を合わせると柔かい印象になります。
寝室の壁紙の色
寝室の壁紙の色は睡眠の質にも影響すると言われています。あまり派手な色柄では落ち着いて寝られないので、ベージュやアイボリーなどがよく選ばれます。また、リラックス効果があるとされるブルー系や、自然を思わせるグリーン系・ブラウン系も人気です。暖色系の場合は、赤みが強くなると脳を活性化してしまい、安眠を妨げてしまうため、淡いピンクやオレンジ系に留めておいた方がよいでしょう。
さらに寝ている際に目が行きやすい天井は、暗い色を選んでしまうと、実際よりも天井が低く感じられ圧迫感が出るので、明るめの色選びをオススメします。
子ども部屋の壁紙の色
子ども部屋は他の部屋よりも傷や汚れがつきやすいので、成長に合わせて貼り替えることを視野に入れておくとよいでしょう。
幼児期~小学校低学年の場合、子どもらしいポップな色合いやキュートな柄の壁紙を思い切って選ぶのも◎。家具も含め部屋全体で使用する色を3~4色に収めると、まとまりが出ます。また、キャラクター柄などインパクトのあるデザインを取り入れるなら、アクセントとしてお部屋の一面程度に収めるのがポイントです。
勉強に集中したい年頃なら、リラックスと集中力を高める効果があるとされているブルー系を取り入れるのもよいでしょう。ただし、全体をブルー系にしてしまうと寒々しい印象になりがちなので、アクセントとして部分的に取り入れるのがおすすめです。また、オレンジなどの暖色系は脳を活性化してくれるので、候補の一つにしてもよいのではないでしょうか。
トイレ・洗面所の壁紙の色・柄
清潔感のある白やベージュなどの淡い色を基調に、小花柄など小ぶりな柄を選ぶことが一般的ですが、居住空間と切り離されているからこそ、遊び心を加えてみたくなる空間でもあります。
四面あるうちの一面をビビッドな色や大きめの柄にし、残りの壁紙はシンプルなものにすると、ほどよくおしゃれな空間になります。ぜひチャレンジしてみてください。
マンションの壁紙を張り替えるにあたっての注意点
壁紙選びが終わったら、あとは施工日を待つのみ!
当日までに行っておくべき事前準備として、以下のような対応をしておきましょう。
1,精密機器は移動させる
施行中は下処理に使うパテの粒子などが精密機器の内部に入り込んでしまいます。また工事の邪魔になるので、家電製品やパソコンと周辺機器などは、別の部屋に移動しておきましょう。
2,ペットや水槽類を移動させる
精密機器と同様の理由で、別部屋に移動させておきましょう。
マンションの壁紙のポイントを知っておこう
壁紙・クロスは5年~10年で張り替えるのが一般的とされています。部屋のイメージを大きく変えたり、機能性を高めたりできるのはもちろんですが、汚れや傷みが目立ち始める前に壁紙をリフォームすることで健康面でもメリットがあります。汚れた壁紙をそのままにしていると、カビや雑菌が繁殖する原因にもなり、その中で生活をしているとアレルギーを悪化させるなど健康に影響が出る可能性があります。
壁紙・クロスを定期的に張り替えて、心も体も元気に過ごせる住まいづくりをしましょう。
マンションの壁紙をおしゃれにリフォームしませんか?
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【特徴1:豊富なカラーバリエーション】
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・アートデザイン(全40色):毛糸をほぐしたような、ふわふわ感が特徴。単色、または2色が混ざった多彩な色調が楽しめます。
・ヴェルサイユ(全40色):照明が映えるラメ入りタイプ。ほのかにきらめく程度のから豪華絢爛な仕上がりまで、塗り方や角度によって表情が変わり、デザイン性が広がります。
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【特徴2:素材感】
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