アクセントクロスとは、壁や天井の一部だけ色や素材の違うクロスを貼ってアクセントにするインテリア手法のことです。同色のクロスだけでは単調になりがちな部屋の印象を、ぐっとおしゃれな雰囲気にできます。
【アクセントクロスで失敗しないコツ①】色の選び方を知る
アクセントクロスを取り入れるときには、色選びが最も重要なポイントです。色が感覚に与える印象はとても大きく、色選びによって部屋自体の印象が変わるといっても過言ではありません。特に、アクセントクロスでは一部だけに色を取り入れるので、その色が持つインパクトが強く感じられます。色が持つイメージや色が与える効果を知り、アクセントクロス選びに活かしましょう。
色のもつイメージを理解
「温もり」や「にぎやか」なイメージを持たせたいなら暖色系を、「涼しげ」「落ち着く」雰囲気を持たせたいなら寒色系を選ぶとよいでしょう。仕事部屋は集中力を高める寒色系、子供部屋は楽しい雰囲気の暖色系、といったように部屋の用途に合わせて色を選ぶと居心地がよくなります。
暖色とは、赤やオレンジ、黄色など暖かさを感じさせる色を指し、太陽や炎など実際に熱量の高いものの色でもあります。温度の暖かさだけでなく、人間的な温かさや優しさも想起させる色です。暖色は、身体活動を高める交感神経に作用すると言われていて、「情熱的」「刺激的」「行動的」なイメージもあり、人に活力を与える色と言えるでしょう。同じ距離であっても近く大きく見える「進出色」です。
寒色とは、青、青紫など涼しさや冷たさを感じさせる色を指し、水など実際に冷たいものの色でもあります。寒色は、心身をリラックスさせる副交感神経に作用すると言われていて、気持ちを落ち着かせる効果があります。「クール」「理知的」「清潔」「静か」などのイメージを感じさせる色で、同じ距離であっても、遠く小さく見える「後退色」です。
また、緑や紫など、暖色と寒色以外の色を中間色と言います。中間色は2つの色の間にある色なので、双方のイメージを併せ持ち、周囲の色と調和しやすい点が特徴です。例えば、紫は赤と青の中間色で、赤の持つ情熱的なイメージと、青の持つ鎮静効果の双方を持ち合わせます。緑は黄色と青の中間色で、自然や若々しさなどを想起させます。
明度
明度とは色の明るさのことで、明度が最も高い色は白、低い色は黒です。
明度が高い色とは白に近い色を指し、ライトグリーン、ペールブルー、パステルカラーなどがに当たります。軽やかで明るく、部屋を広く見せる効果がある一方で、無機質で空虚なイメージにつながりやすいとも言えるでしょう。
明度が低い色とは黒に近い色を指し、ダークブラウンやダークグレー、ディープブルーなどが当てはまります。重苦しく硬い印象があり、部屋を狭く感じさせる一方で、重厚感や高級感をおぼえさせることが可能です。
彩度
彩度とは色の鮮やかさのことを言い、彩度の高い色はビビッドカラー、低い色はくすんだ色です。
彩度の高い色はインパクトが大きく、目を引く鮮やかな色で、「個性的」「派手」「エネルギッシュ」な印象を与えます。インテリアの中に多用したり、部屋の用途に合わない使い方をしたりすると、落ち着かない部屋になってしまうので気を付けましょう。
彩度の低い色とは、色味を感じにくい色のことです。優しく落ち着いた雰囲気を作り出せますが、くすんで見えるため、地味な印象も与えます。自然を感じさせるアースカラーも彩度が低めです。
床や家具の色との相性/バランス
部屋は壁と天井、床、そして基本的な家具で構成されるため、アクセントクロスを選ぶ際にはこれらの色のバランスを考慮するとよいでしょう。特に、目に入りやすい床や家具の色との相性は大切です。色味をそろえるか、反対色にすると部屋全体のバランスが取れます。
【アクセントクロスで失敗しないコツ②】注意点を知る
色以外にもアクセントクロスを選ぶ際の注意点はあります。おしゃれな部屋づくりの鍵となるポイントなので、しっかりと把握しておきましょう。
アクセントクロスの割合は20~30%がベスト
アクセントクロスの占める割合は、部屋の壁全体の20~30%がベストです。壁が4面ある場合は、1面をアクセントクロスにするとよいでしょう。多用しすぎると色の与える印象が強くなりすぎてしまいます。
メリハリをつける
アクセントクロスを検討する多くの場合、全体のクロスの色は白系統が多いのではないでしょうか。部屋の壁3面が白で、残りの1面を同系色のベージュやグレーなどにしてしまうと、印象がほとんど変わらないため、狙った効果を得られません。そればかりか、ほかの壁と比べて薄汚れて見えるという欠点もあります。メリハリをつけるためにも、基本の壁の色と異なる系統の色を選ぶようにしましょう。
大きめのサンプルで確認
アクセントクロス選びで失敗しないために、カタログやインスタの写真だけで色味を判断するのはやめましょう。5cm四方ほどのサンプルと、壁1面のアクセントクロスとでは色が与える印象が大きく違います。小さなサンプルで確認したよりも、壁に貼ると色味が薄く感じることが多いようです。実際にクロスを貼っている壁を見たり、大きめのサンプルを取り寄せたりしてイメージを膨らませることが後悔しないための秘訣です。
色
クロスを実際に貼ってみると、サンプルで確認した色よりも、淡く、明るく感じることが多いようです。アクセントクロスを貼る壁が窓際なのか、どのような照明を使うのかによっても印象は異なります。自然光が降り注ぐ部屋ではより明るく見えるでしょう。
サンプルよりも一段階濃く、暗めのトーンを選ぶとイメージに近づけられます。
機能性
「傷がつきにくい」「汚れにくい」「吸湿性がある」など、さまざまな機能の付いた壁紙が登場しています。機能性壁紙を取り入れる際には、効果の程度を事前に確認するとよいでしょう。例えば、サンプルを折り曲げて傷をつけてみたり、落書きなどが想定される場合はフェルトペンで線を引いてみたりし、傷や汚れをきれいに直せるかまで確認しておくと安心です。
表面や厚み
クロスは厚みがあるほど強度があり、破れにくいです。下地の小さな凹凸なども厚みがあるクロスなら問題なく隠せます。薄めのクロスは継ぎ目が浮いてしまうこともあるので注意しましょう。サンプルがくるんと丸まっていれば、薄めのクロスです。
【アクセントクロスで失敗しないコツ③】部屋ごとにオススメの色・柄を知る
子ども部屋、寝室、書斎、キッチンなど部屋ごとに使う人や使う用途が異なります。そのため、部屋ごとにテーマを決めてアクセントクロスを選ぶとよいでしょう。ここでは、アクセントクロスにお薦めの色や柄を部屋別に紹介していきます。
リビング
家族が一堂に会するリビング。1日の多くの時間を過ごす場所なので、落ち着いた雰囲気にしたいという人が多いのではないでしょうか。
グレー
リビングに取り入れたいアクセントクロスの色はグレーです。グレーはどんな色やテイストにも合うので、家具や小物が多くなりがちなリビングに適しています。テレビなど、家電の色や素材とも相性がよいです。淡すぎるグレーは印象がぼやけてしまうため、濃淡に注意するとよいでしょう。淡いグレーは、軽やかで上品な雰囲気に、濃いグレーは落ち着いた雰囲気になります。
ブルー
気持ちを落ち着かせる効果がある青系統の色もリビングのアクセントクロスに向いています。特に、濃いブラウンの床は、濃いブルーのクロスと相性がよいです。くすんだブルーグレーを取り入れると、落ち着いた雰囲気のリビングを作り出せます。
寝室
寝室のアクセントクロス選びで大切なのは、快適な眠りを邪魔しない色を選ぶことです。自然な眠りを誘う睡眠ホルモンのメラトニンは、目からの刺激に大きく影響を受けます。質のよい眠りのためにも、アクセントクロスの色選びは重要なのです。
赤・オレンジ
赤やオレンジは気持ちを興奮させたり、活性化させたりする効果があるため、寝室には向かないと思う人も多いかもしれません。しかし、赤やオレンジは、優しく穏やかなイメージの暖色系なので、決して寝室に向いていないわけではありません。注意したいのは、彩度です。ビビッドカラーの赤やオレンジには興奮作用があるので、注意しましょう。彩度の低い色味でシックにまとめたり、明度の高い淡い色でさわやかな雰囲気を演出したりするとよいでしょう。
ブルー
ブルーには鎮静効果があり、自然な眠りに誘ってくれます。
子供部屋
子供部屋には、花柄、星柄などの柄物クロスを取り入れてみてはいかがでしょうか。思い切って大きな柄やメリハリのある色合いを使い、遊び心のある子供部屋を作れるのもアクセントクロスの魅力です。子どもが成長した後のことが気になるなら、クロスの色と柄を同系色にすれば柄自体の印象が弱まり、違和感なく使えます。部屋の用途や好みが変われば貼り替えることも可能です。
洗面所
タイル柄のアクセントクロスを貼れば、ホテルのような洗面所に早変わり。おしゃれで洗練された洗面所になります。
トイレ
実はトイレの滞在時間は意外と長いもの。一生のうちトイレにいる時間を合計すると約3年間になるともいわれています。毎日必ず行く場所であり、来客の際も使用する場所なのでこだわって選びたいものです。
ブルー
ブルーは清潔感があり、リラックス効果がある色なので、トイレにぴったりです。
グリーン
グリーンには自然を思わせる爽やかなイメージがあります。リラックス効果もあるのでトイレに適しています。
【アクセントクロスで失敗しないコツ④】費用相場を知る
6~10畳の壁1面にアクセントクロスを貼ると仮定すると、必要なアクセントクロスは20m程度です。
この場合、材料費と人件費を合わせた原価は、1万9000~3万2000円程度だと考えておくとよいでしょう。これに、業者の利益と諸経費が必要になり、費用相場は3万4000~8万5000円程度になります。
業者の利益は1万~5万円と幅があるため、相見積もりを取って検討するのが無難です。
アクセントクロスには特徴的な色や、一般的ではない色合いのものが多く、中には高価なものもありますが、基本的に普通のクロスと違いはありません。「アクセントクロスだから高い」というわけではないことを頭に置いておくとよいでしょう。
アクセントクロスを取り入れて理想の部屋に!
アクセントクロスは新築やリフォーム時だけでなく、取り入れたいと思ったときに1面だけ貼り替えることも可能です。手軽に取り入れられ、部屋の印象を一気に変えられます。「どのような部屋にしたいか」や、手持ちの家具、床の色合いを確認して、イメージを膨らませてみましょう。色や柄はもちろん、多機能なクロスが販売されているので、じっくりと選んですてきな部屋を作りましょう。
アクセントクロスで、お部屋に1つ「見どころ」を作りませんか?
新築のおうちの壁紙を考えている方、壁紙のリフォームを検討している方、アクセントクロスでおしゃれにお部屋の「見どころ」ポイントを作るのがおすすめです。
海外風のピンクやブルーの壁紙に憧れるけど、全面にするのはちょっと・・そんな場合でも、アクセントクロスならインテリアのワンポイントとして取り入れやすいのではないでしょうか?
アクセントクロスは海外では既に一般的な手法で、日本でもアクセントクロスが徐々に浸透してきています。
そんなアクセントクロスにおすすめなのが、クロスと塗り壁のいいところをあわせた新しいデザインの塗る壁紙です。
「シルクプラスター」という内装DIY用の商品はご存じでしょうか?
「シルクプラスター」の特徴は、
・豊富なカラーバリエーション
・素材感
です。
【特徴1:豊富なカラーバリエーション】
シルクプラスターには、大きく分けて「アートデザイン」「ヴェルサイユ」という2つのタイプがあります。
・アートデザイン(全40色):毛糸をほぐしたような、ふわふわ感が特徴。単色、または2色が混ざった多彩な色調が楽しめます。
・ヴェルサイユ(全40色):照明が映えるラメ入りタイプ。ほのかにきらめく程度のから豪華絢爛な仕上がりまで、塗り方や角度によって表情が変わり、デザイン性が広がります。
【シルクプラスター】「メロンソーダ色」ってどお?★あたらしく、カラーに名前をつけました★
【シルクプラスター】春の雰囲気にピッタリ!スタッフおすすめ春カラー特集★
【特徴2:素材感】
シルクやセルロース繊維を原材料として使用しているので、フェルトやファブリックのようなモコモコ・ふわふわした見た目・手触りに仕上がります。ビニールクロスなど他の壁紙では表現できない素材感は、リキッドならではの特徴です。壁紙のように継ぎ目ができず、下地の凹凸をカバーしやすいのも嬉しいポイントです。