TOP-MAKE with-STORY-全く新しい内装を展開するために。──MYKEブランド立ち上げから、シルクプラスター誕生まで。

全く新しい内装を展開するために。──MYKEブランド立ち上げから、シルクプラスター誕生まで。

北海道を拠点に、国内外の輸入資材を取り扱うヤマチコーポレーション。オリジナルブランド“MYKE”(マイク)の立ち上げに伴い、久々となる海外展示会視察に行きました。
年々、輸入住宅と呼ばれるデザイン住宅が減少し、国内メーカー商材の需要が高まる傾向にありますが、それでも「日本の建築の空間づくりに役立つプロダクトとアイデアが発信したい」という想いから、約6年ぶりにパリへ飛び立ちました。
6月から新しい商材として本格販売する「シルクプラスター」は、パリの展示会視察で出会ったのでした。

新ブランド立ち上げをきっかけに、
建材問屋として存在価値の再定義する。

2020年3月よりスタートした、オリジナル建材ブランド「MYKE(マイク)」。
“My(わたしの)”+“Like(すき)”という造語からうまれたブランド名は、つくる人、つかう人、見る人、みんなが「わたし」の「すき」を感じてもらえるようなアイテムを厳選したブランドになりますように、という思いでつけられた名前です。「MYKEが届ける、たいせつなものとは、たくさんの人たちに永く使われていること、つくられてきたことにストーリーがあること、そして、そこからアイデアが広がること。質と価格のバランスが良いモノ・コト・ヒントをセレクトし、これからの建築の価値を高めます。」というコンセプトをもとに、“これでいい”ではなく“これがいい”をつくりお客様の暮らしが楽しくなることをめざしています
「空間づくりにもっと携わりたい、もっと発信したい、もっと役に立ちたい。」その気持ちから、どこにもない“いい”商材を提案することがいちばんの近道になるのでは、と考えはじめたのがきっかけです。

自分たちが心から“いい”とおもえるものを提供したい。

多くの建材がある中で、MYKEのブランド商品としてデビューするための7つの選考基準を設けました。
1)プロダクトにストーリーがあること
2)愛着がどんどんわいてくること
3)目新しいものであること
4)心がおどるものであること
5)良い素材、良い質感、良い満足感
6)建築物に新しいアイデアがひらめくこと
7)地球環境に配慮があること
最低でも半分の項目をクリアしていないとブランドの仲間入りは果たせないという選考基準です。これらの厳しい基準を用意することで自信を持ってお客様へ提供できるアイテムに育っていくと確信しています。

オリジナルブランドへの強い想い。BATIMAT視察へ。

世界中にある“いい”ものを見つけて日本中に広めるというMYKEミッションを掲げながら、わたしたちは約6年ぶりにフランス・パリで開催された「BATIMAT バティマ パリ国際建築専門見本市」を視察。BATIMATとは2年に一度開催されている、フランス建築建材業界の主要企業はもちろん全世界多数の企業が出展する世界最大級の建築建材に関する展示会です。

フランスの首都パリは経済や研究開発において、ヨーロッパにおける最も重要な中心地。パリは、フランスのみならず、地中海、アフリカからも往来しやすいことから、様々な展示会が開かれます。「デザインされないものはパリでは売れない。デザインされただけではパリでは売れない」といわれるだけの厳しい審美眼をもつ街での開催には、各国、各メーカーが、機能性、デザイン性、そして、ブランディングを意識し独自性をもって出展すると言われています。

だからこそ、日本における空間デザイン、建材ブランドである「MYKE」の立ち上げ準備にこの世界No.1の展示会で、とっておきの商材に出会うことを目的としたのです。

実はMYKEブランド入りを果たしている、当社のオリジナルアイテム、オランダの“グラベルフィックス”も数年前BATIMATで出会ったエクステリア商材です。日本では類をみない、環境性のある砂利安定材は、日本の三大庭園「偕楽園(かいらくえん)」をはじめ、多数の公共施設、ホテルと多方面の重要建築物のエクステリア部分に採用されています。

圧倒的な世界クラスの展示会。再認識した「サスティナブル」という価値観。

BATIMATの来場数は約40万人。東京で開催される国内最大級の展示会でも来場者数は10万人規模です。1つ1つの展示ブースは、さすが世界レベル。ヨーロッパならではの空間演出や色使いはとても魅力的でした。また「環境先進国」と言われているヨーロッパ。環境設備に関する商品の出展はかなり多く、特に水害対策商材に力を入れている印象でした。体験から生まれる知恵と技術で商品化をする、モノづくりの熱意を感じられます。さらに、機能性だけではなく素材にもこだわっている商品が多く、環境に対しての考え方を見習わなければならないと感じました。

「映える」「エコ」「塗りもの」。
経験と直感が交差したシルクプラスターとの出会い。

BATIMAT視察前、スタッフから「見映えする内装材を探してきてほしい」というリクエストがあり、特に注目して参戦。空間デザイン商材は流行にも左右はされますが、近年はSDGsを意識したエコ商材、SNSなどで映える「見映え商材」に注目が集まりやすい傾向があります。また今までの取扱商品の中で「塗りもの」の取り扱いには、内外装に実績があり「審美眼を持っている」と自信がありました。

「内装材」「映える」「エコ」「塗りもの」
新しい商品に求めるキーワードが頭をよぎったのは、シルクプラスターブースに差し掛かった時でした。

会場を端から端までしっかり見ないと見逃してしまいそうな展示会場の奥。建材エリアで気になるブースを発見。内装材のブースだろうと思いながら近づいてみると、見たことのない“繊維“の塗り壁材があったのです。社員一同釘付け、口を揃えて「おもしろい!」「これは流行りそう!」と直感するものがありました。

壁紙の概念を変える、
全く新しいリキッドウォールペーパー。

シルクプラスターは、東欧バルト三国 ラトビアでつくられている商品。素材にセルロースが使われており、アートデザインの『ふわふわ』とヴェルサイユの『キラキラ』といった独特な表情で仕上がる「塗るリキッドウォールペーパー」です。実際にブースで商品説明を受けると、部類としては壁紙と同じカテゴリーにはいる商品とのこと。ヨーロッパではDIYの需要も高く、住宅のリペアは日本よりもごく一般的に行われているそう。素人でも塗りやすく、メンテナンスも簡単なシルクプラスターは新しい内装材としてはピッタリでした。

室内の壁面や天井、柱がイメージ以上の仕上がりに。
ゴージャスにも、モダンにも、かわいらしくも、夢のあるたのしさも。
仕上がり表面の表情もこれまでにない質感が楽しめること間違いなし。

まさに、「BATIMAT」には「縁」があったといっても過言ではないくらい、即商談は成立。現在はヨーロッパを中心に、アフリカに販売網を伸ばしているシルクプラスター社は、ちょうど、アジア圏で代理店を探している最中だったということも、後押しされたポイントでした。
こうして、シルクプスターはMYKEブランドの目玉商品として日本初上陸が決定。半年間の販売準備期間を経て2020年6月に本格販売となります。

わたしたちが「いいな」と思った想いを、そのまま届けること。
それが世界中から見つけてきたアイデアやプロダクトで日本の建築空間をつくる。MYKEの一番のミッションなのです。


STAFF voice
帰国して早速組まれた商品開発プロジェクトは、3名のメンバーを中心に、営業マネージャーやツールデザイン等を行う外部スタッフが戦略的に組まれています。小規模チーム、フットワークの良さが特徴です。
シルクプラスターの取り扱いが決まって最初に「社内メンバーへのお披露目」を実施。優れた建材やかっこいい商材好きが集まる社内でまずは認めてもらおうと、緊張の第一歩でした。社内プレゼン後メンバーからは「面白い」「かわいい」「早く売りたい!」という言葉ばかり、大好評でした。
次の日には少数のお得意先へ、出向き本当に現場で使えるのかを市場調査。そして、その反応も「マル」。それから、自分たちで楽しみながらサンプルを作成し、自分たちで塗り、さわり、意見を交換しながら、販売イメージを固めていきました。こうしてその商品を体験することで、理解が深まり、愛着が増していきます。大切にしていることは、「商品を好きになること」。その中で、その情熱を直接お客様に伝えるということが、好きなことをカタチにするという社風につながっている気がします。

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