サスティナブル建材をもっと広めたい
ビートトブロックの名前は「BEAT =叩く」「BLOCK=石」という、施工方法に由来しています。はめ込み式なので、カラーや素材 ともに 異なるタイルを使用することができ、デザインのバリエーションが豊富です。
また「タイル」は、天然石とセラミ ックを用意。セラミックはコストを抑えることができ、天然石は、その素材ごとの模様が空間に面白さを伝えることができます。
BEAT BLOCKの開発のきかっけは、MYKE ブランドで取り扱う「グラベルフィックス」や「グラスフィックス」をお客様に提案するうちに、わたしたちは、こう思うようになったことからでした。
砂利や芝生以外を使用して、同じような特徴をもったサスティナブルな舗装材ができないか?
そこで着目したのが、インタ ー ロッキングや石畳に使用される「タイル」。撥水性が高いアスファルトでは難しいことが、「タイル」であればグラベルフィックスのように「透水性」をもったシステムができるのでは?と仮説を立てることができたのです。
また、インタ ー ロッキングはコンクリ ー ト製品でデザインの柔軟性が弱点。石畳は天然石を使用するため、透水性には優れていない、という選別ができ、わたしたちの目指す商品は、「透水性とデザイン性を兼ね備えて、駐車場にも使用できる外構システム」だ、とうことに行きついたのです。
共通の価値観から生まれるアイデア
グラベルフィックスの商品構造が頭にあったので、どのような仕組みでが商品化しやすいかは、イメ ージができました。イメージしたのは、「枠」に「タイル」をはめていくということ。グラベルフィックスは、「枠」に細かい砂利を充填していきます。その場合「水(雨水)」は、砂利の隙間を通って、枠材の下の不織布をスルーし、地中へと浸透します。
では、「タイル」ならどうなるのか。
なんらかの方法で、「水(雨水)」が「タイル」と「枠」の間をすり抜けて、スルーする仕組みを作らなければなりません。それを考えた時に、「枠」と「タイル」の間にある程度の隙間を作ることで、解消できるということが、アイディアとして湧いてきました。
施工性に特徴のある、あたらしい外構システムとして
もうひとつ、ビートブロックが叶える、もうひとつのサスティナブルがあります。それは、「施工の時短性」。建築現場の「働きかた」を考えた時に、「施工の時短」が叶えば、確実に施工効率が上がります。そして、MYKEのコンセプトの≪建築業界へのあたらしいイメージ≫にもつながります。
環境だけではない。働く人の「あたらしい働きかた」にもつながるコンセプトをもったビートブロック。しかし本当の闘いはここからでした。
あたらしいMYKE Partner
タイルは、創業70年の資材輸入実績から、すぐにパートナー企業が見つかりました。でも「枠材」は難航。わたしたちは、「資材」を見つけることは得意でも「生産」については、素人同然。
そこで駆け込んだのは、モノづくりを推進している、商工会議所のつながり。
そこで紹介していただいたのが、自動車のエンジンカバーの樹脂部品やパソコンの樹脂パーツをつくる国内トップクラスの技術力があるメ ーカ ー。もともと、細部の打合せが必要なプロジェクトでしたし、海外ではなく国内でパートナー企業を探そうと考えていたので、営業拠点である東京にほど近い、群馬県でみつかったのは、とてもいい出会いと言えました。
日本にあたらしい建築のアイディアを。と考えるとき、わたしたちの目は、これまで自然とか海外に向いてきました。世界には、たくさんのモノ、コト、ヒントがあふれており、それを日本の建築のルールに書き換えてリリースすることは私たちのビジネスモデルでもあったからです。
しかし今回は、国内でのパートナーを選び、念密に打合せを重ねていけたことで、より愛着もわき、いつもにはない商品開発のビジネスモデルを構築することができました。
商業ビルやホテルの外構によく施工されているタイル舗装。施工面積が広いからこそ、「枠材」と「タイル」の隙間から「地中に雨水を還す」という環境への配慮がある建材が 必要だと考えています。透水性とデザイン性を特徴に、これから の日本の外構を支えるアイテムになってほしい ―
後編では、決まった商品コンセプトに準じてすすめた商品開発が、我々が思った以上に難しかった「国内に例を見ない資材の、ゼロからの製造」と、出来上がったビートブロックについてのストーリーです。